ノロウイルスは激しい下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。
毎年冬場になると、保育園や幼稚園などで集団感染が起こりやすく、注意が必要な病気です。
感染性胃腸炎の主な原因であり、感染力が強いのが特徴です。
ご家庭での感染を防ぐために、ノロウイルスの正しい予防と対策方法についてまとめてみました。
ノロウイルスは感染者の吐物やふん便中に含まれる数百万~数億個のうち、わずか10~100個程度で感染すると言われるほど感染力が非常に強いです。
主にヒトの手指や食品などを介して感染し、おう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。
潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、感染すると吐き気、おう吐、下痢、腹痛などを引き起こします。
発熱することはあっても、高熱になることはあまりなく、嘔吐・下痢などの症状が1~2日続いた後、自然に回復します。
しかし、高齢者や子供の場合は、1日に20回以上の下痢をおこし、脱水症状などで入院が必要となることがありますので、注意が必要です。
また、感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状の場合もありますが、そのような場合でも糞便中には発症者と同じほどのウイルスが潜んでいます。
そのため、二次感染の予防対策に注意が必要です。
感染性胃腸炎は例年10月頃から増え始め、12、1月に流行のピークをむかえます。
ノロウイルスの予防方法
家族間での感染を防ぐにはノロウイルスの予防方法も知っておいたほうがよいでしょう。
手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法は、手洗いです。
食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗いましょう。
すぐに手洗いが出来ない場合は消毒用エタノールを使って消毒を行いましょう。
ドアノブやてすりなど頻繁に手で触れるところはアルコールなどで消毒するなど清潔を保ちましょう。
食事はなるべく火を通したものをいただきましょう。
加熱が必要な食品、特に二枚貝を食べるときは、中心部まで十分加熱調理(85~90℃で90秒以上)しましょう。
また、調理器具等は使用後に洗浄、殺菌しましょう。
ノロウイルスの治療とホームケア
ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こさないように、体力を消耗しないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。
脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要となります。
ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、口に入って感染することがあるので、便や吐物を乾燥させないうちに処理することが重要です。
便や吐物を処理をする場合は、部屋を十分に換気し、使い捨ての手袋やマスクをつけ、タオルやペーパータオルなどで吐物を除去します。
その後、次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)やアルコールで消毒します。
おむつや拭き取りに使用したタオル、ペーパータオルは、ビニール袋に密閉し、漏れないようにして廃棄しましょう。
リネン類が汚れてしまった場合は、付着した汚物中のウイルスが飛び散らないように処理した後、洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いしましょう。
その際にしぶきを吸い込まないよう注意してください。
下洗いしたリネン類の消毒は85℃・1分間以上の熱水洗濯が適していますが、、熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。
その際も十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。
布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。
また、下洗い場所を次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で消毒後、洗剤を使って掃除をする必要があります。
次亜塩素酸ナトリウムは過程にある塩素系漂白剤で簡単に作ることができます。
キッチンハイターなどの塩素系漂白剤5ml(キャップ1杯程度)を500mlのペットボトルにいれ、ペットボトルの首の部分まで水をいれれば出来上がりです。
まとめ
こどもの急な嘔吐や下痢は対処が難しいですよね。
ノロウイルスが流行りだしたら、次亜塩素酸ナトリウムを1本作って置いておくといいかもしれません。
まずは基本の手洗いをしっかりおこない、感染しないように気をつけましょう。