保育園・幼稚園など集団生活が始まると、気になるものの1つに感染症が上がる方も少なくないでしょう。
突然高熱や湿疹が出ると何の病気か心配になります。
罹ってしまうと完治して登園できるまで時間を要する病気も多く、働いているお母さんは頭を抱えてしまいますよね。
初期症状の発見が大事ですので、お子さんの様子をよく観察し、疑われる症状がある場合には拡散防止・悪化防止に努めましょう。
今回はヘルパンギーナの症状や予防方法、治療などについてまとめてみました。
ヘルパンギーナとは?
夏風邪の代表疾患であるヘルパンギーナは発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性の感染症で6月から8月にかけて流行します。
主にコクサッキーウイルスA群である場合が多いですが、ウイルスの型がいくつかあるので、何度もかかってしまうことも珍しくありません。
大人も感染する可能性があります。
症状としては2~4日の潜伏期を経過したあと、突然の39℃以上の発熱がおき、それと同時に咽頭痛が出現します。
熱が1〜3日つづくと同時に、のどが赤く腫れて直径1~2mm 、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん、皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小さな水疱がたくさんできます。
ほとんどの場合、2~3日以内には熱が下がります。
水疱は2〜3日でつぶれて黄色い潰瘍になりますが、喉の痛みが強いため食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすこともあります。
また、高熱から熱性けいれんを引き起こす場合もあります。
5歳以下で患者全体の90%以上を占め、さらに1歳代の子供に多いとされています。
ヘルパンギーナの感染経路と治療
ヘルパンギーナの潜伏期間は一般的に2日から3日で、長くても1週間ほどです。ただ、ヘルパンギーナはウイルス性疾患で2次感染の可能性があるため、発症日から長くて2週間ほどは注意が必要です。
もっとも感染力が強いのは発熱しているときで、感染経路としては、便を介した接触感染と、唾から感染する飛沫感染があります。
ヘルパンギーナはエンテロウイルス群によるウイルス感染症ですが、現在のところ予防となる抗ウイルス剤やワクチンがないため、予防接種などが行われることはありません。
特異的な治療法はなく、通常は病気の原因に対してではなくそのときの症状を軽減するために行われる対症療法のみです。
高熱を発症しやすい事からまずは安静に過ごすこと、そして、高熱に伴う脱水症状を防止するために水分補給をしっかり行うことが大切です。
手足口病との違いと予防方法
手足口病とヘルパンギーナは発熱や水疱ができるなど症状が似ており、流行る時期も同じです。
初期症状としては、どちらものどに水疱ができます。
手足口病は手や足などに発疹が現れますが、ヘルパンギーナの場合は、手や足に発疹は出ません。
また、手足口病は37℃~38℃の熱で、発熱しない場合もありますが、ヘルパンギーナは39℃~40℃の高熱が突然出るという点が違います。
予防方法は手足口病と同じです。
①手洗い・うがいをきちんと行いましょう。帰宅後と食事の前、トイレの後には、必ず石鹸と流水で手を洗います。その際、タオルの共有はしないでください。
②排泄物を適切に処理しましょう。回復後も便からしばらくウイルスが排出されます。
おむつを交換したら、排泄物をビニールに入れるなど適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。
まとめ
夏は暑さのために体力を消耗し抵抗力が落ちます。
抵抗力が落ちると、細菌やウイルスに感染しやすくなります。
ヘルパンギーナは便にてウイルスが2~4週間排泄されるうえ、幼稚園などの集団生活では接触感染のリスクが高いので、手洗いがしっかりできることが予防の1つになります。
感染しないためには、基本の手洗いうがいをしっかりすることから始めてみましょう。