ただの風邪だろうと思って、念のために病院を受診したら溶連菌感染症と言われたら戸惑いますよね。
聞きなれない名前ですし、どんな病気なのかは名前をきいただけではわかりませんね。
仕事を休まなければいけないのかと、仕事への影響を心配したり、子どもなど家族への感染など不安になることも多いかと思います。
溶連菌感染症に大人がかかった時の症状や仕事への影響、治療などについてまとめてみました。
溶連菌感染症に大人がかかった時の症状は?
まず、溶連菌感染症がどのような病気なのか説明します。
溶連菌は、溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌です。
レンサ球菌にはα溶血とβ溶血を呈する2種類があり、溶血性連鎖球菌は一般にβ溶血性(完全溶血)の菌をさします。
90%以上がA群によるもののため、一般にはA群β溶血性連鎖球菌による感染症を溶連菌感染症として考えましょう。
感染してから2~5日後に発症します。
症状としては、代表的なものとして高熱とのどの痛み(咽頭炎、扁桃炎)があります。
体や手足に小さな赤い湿疹が出て熱が出たり(猩紅熱)、イチゴ舌と呼ばれる舌にイチゴのようなブツブツができることがあります。
症状が落ち着いてきたころに手や足の指先から皮膚がむけることがあります。
溶連菌感染症の合併症として肺炎、髄膜炎、敗血症などの化膿性疾患や糸球体腎炎、リウマチ熱などを発症することもあります。
溶連菌感染症に大人がかかった時、仕事はどうする?
溶連菌感染症は、明確に出席停止期間などが定められている病気ではありません。
一般的には、抗菌薬の治療を始めると24時間以内に感染力が低下するといわれています。
そのため、内服後1日で通勤は可能ということになります。
しかし、発熱が続いているなどする場合は、十分薬が効いてきていない可能性もありますので、症状が落ち着くまでは安静が必要です。
家族への感染を予防するためには、手洗い・うがいの励行、マスクを使用しましょう。
同じ食器やコップ、タオルの使用は避けましょう。
小さいお子さんがいる場合はなかなか難しいとは思いますが、できれば別の部屋で過ごすなどの対策がとれると理想的ですね。
溶連菌感染症に大人がかかった時の治療方法は?
溶連菌は抗生剤の効果が出やすく、ペニシリン系の抗生剤でほとんど治癒します。
しかし、最近は少し効きにくい菌も増えていますので、症状に応じて他の種類の抗生剤も使用されるようになってきました。
薬の種類によって内服する期間は違いますが、よく使われるペニシリン系の薬ですと、10~14日間が内服期間となります。
抗生剤の内服を開始してから2~3日で、発熱やのどの痛みなどの症状は治まってきます。
しかし、菌が完全に除菌されずに少しでも残っていると再発する可能性があります。
症状が治まったと思って薬の服用をやめてしまわず、医師から指定された期間は必ず飲みましょう。
しっかり治しておかないと、合併症を引き起こす危険が高まります。
溶連菌感染症の合併症には、心臓弁膜に障害を起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といったものがあり、一生付き合わなければいけない病気となることもあるので注意が必要です。
まとめ
溶連菌感染症は集団生活の場での感染が多く、小さなお子さんがいる家庭ですと、お子さんから大人が感染することがあります。
手洗い・うがいなどの基本的な予防対策を普段からしっかりおこなうことが大切です。
また、感染を疑うような症状がある場合は病院を受診して、検査を受け、処方されたお薬はしっかり飲みましょう。
病気にはならないのが一番ですが、なってしまったときは医師の指示どうりに内服をすることと安静にすることで早期に回復できます。