熱性けいれんとは発熱に伴って起こる痙攣のことをいいます。
我が子が急に痙攣をおこすと怖くなりますよね。
動揺してパニックを起こしてしまう方もいます。
熱性けいれんがどのようなもので、どのように対処するべきかを知っているだけで、安心できると思います。
もしもの時も冷静に判断できるように学んでいきましょう。
熱性けいれんの症状
熱性けいれんは6歳くらいまでの乳幼児10人に1人程度起きるものであり、珍しい症状ではありません。
発祥のピークは1~2歳といわれています。
38度以上の発熱後24時間以内におこるけいれんのことをいい、突然起こることが多く身体を硬直させ手足がガタガタ震えます。
眼は上転し(上向きになり)、白目をむいて意識障害を起こします。
呼びかけにも反応がなく、顔色は悪くなっていくので、気づいた親はパニックを起こしてしまう方もいます。
熱性けいれんには2種類のけいれんがあります。
強直性けいれんと間代性けいれんです。
強直性けいれんは、身体が急にこわばり、手足をピーンと突っぱね、白目をむいて口から泡を吹き、一時的に息が止まることがあります。
間代性けいれんは、バタバタと手足をばたつかせ、顎ががくがく震えます。
種類は単純型と複合型があり、単純型は発熱から24時間以内に起こり、けいれんは左右対称で、15分以内におさまります。
複合型のけいれんは左右非対称の場合があり、15分以上継続することもあります。
単純型は後遺症の心配がほとんどありませんが、複雑型の場合はてんかんや脳炎、脳症、髄膜炎の可能性も否定できないので病院を受診しましょう。
熱けいれんの応急処置
熱性けいれんは15分以内に症状が治まります。
まず、熱性けいれんが起きた際は、衣服をゆるめ、平らなところに寝かしましょう。
嘔吐がある場合は、顔を左に向け、吐いたもので気道が閉塞しないように気をつけましょう。
その際、口や鼻の周りの吐物をふきとるのはよいですが、舌をかまないようにと口の中に物や手を入れないようにしましょう。
突然のことに動揺してしまうとは思いますが、深呼吸をして慌てず落ち着いて行動しましょう。
大声で名前を読んだり、身体を揺するとけいれんが長引く場合があるのでやめましょう。
診察に備えて、けいれんの様子(左右差)や持続時間、体温などを確認し、メモしておきましょう。
症状の多くは2、3分で治まりますので、様子をみましょう。
しかし、けいれんが15分以上続く場合や、けいれんが治まった後も意識の戻りが遅いときや顔色が悪い場合は救急車を呼びましょう。
けいれん個所が一部位のみ・左右非対称のけいれんであれば病院に連絡した方がいいでしょう。
熱性けいれんの治療
痙攣が治まらない場合は抗痙攣薬などの注射をします。
また、けいれんの原因の病気がないか、必要の応じて検査を施行します。
熱性けいれんが何回も起きている場合は、頓服として抗けいれん剤のダイアップが処方されます。
37.5℃程度の時にダイアップ坐薬を使用し、8時間後に発熱が続いている時には再度投与します。
これで通常は終了ですが、まれに24時間後に再度投与することもあります。
熱を下げる坐薬とは30分以上間隔をあけて使いましょう。
まとめ
単純型の熱性けいれんの場合、けいれん発作は1回限りでその後起こらないことが大半です。
複合型の熱性けいれんを何回か起こした場合は、予防薬を外出時にも持って出かけると安心ですね。
子どもの体調不良は不安が伴い、冷静な判断ができなくなりますよね。
しかし、熱性けいれんは自宅で起きる可能性が高いため、親が判断して行動しなければなりません。
けいれん時は深呼吸をして、落ち着いて対応しましょう。